シーソーが揺れてる
「薬が効いてきたんだよきっと」
「そう言えば、春ちゃんここ1週間ぐらい夜薬飲んでなかったよねえ」
「あれ?そうだっけ」
「そんなことも忘れるぐらい元気になったってことだよ。よかったね」
やっとスムーズにバスが動き出した。広美の手が春香の肩を軽く掴んだ。
「うん」
春香は頷いた。
「これも直人くんのおかげだね。さっきお礼言っとけばよかった」
唐突に広美の口から直人の名が出たので、春香はそれにどう反応したらいいのか分からなくなった。
「えー、あいつはべつに関係無いと思うけど?」
「そんなこと無いよ」
広美の声には妙に説得力があった。その時市民病院前のバス停からさらに人が乗り込んできた。春香たちは少しづつ車内の奥へと押し込まれていく。
その人混みに揉まれながら春香は思い返した。
やく1ヶ月前の初夏の日、あの公園のベンチで偶然直人に出会った。でもそれは偶然ではなかったように思う。
それからも、春香はあの公園に直人に会いに行くようになった。その理由は自分でもよく分からない。
ただ今一つ言えることがある。それは、直人と過ごす時間が好きだった。
それは無条件に楽しくて、心が暖まるような・・・そんな気持ちになれるのだった。
「そう言えば、春ちゃんここ1週間ぐらい夜薬飲んでなかったよねえ」
「あれ?そうだっけ」
「そんなことも忘れるぐらい元気になったってことだよ。よかったね」
やっとスムーズにバスが動き出した。広美の手が春香の肩を軽く掴んだ。
「うん」
春香は頷いた。
「これも直人くんのおかげだね。さっきお礼言っとけばよかった」
唐突に広美の口から直人の名が出たので、春香はそれにどう反応したらいいのか分からなくなった。
「えー、あいつはべつに関係無いと思うけど?」
「そんなこと無いよ」
広美の声には妙に説得力があった。その時市民病院前のバス停からさらに人が乗り込んできた。春香たちは少しづつ車内の奥へと押し込まれていく。
その人混みに揉まれながら春香は思い返した。
やく1ヶ月前の初夏の日、あの公園のベンチで偶然直人に出会った。でもそれは偶然ではなかったように思う。
それからも、春香はあの公園に直人に会いに行くようになった。その理由は自分でもよく分からない。
ただ今一つ言えることがある。それは、直人と過ごす時間が好きだった。
それは無条件に楽しくて、心が暖まるような・・・そんな気持ちになれるのだった。