シーソーが揺れてる
その沈黙はずいぶん長かったように春香には思えた。
「そう言うことにしておこう」
ようやく直人は言葉を紡いだ。
「なあおい」
「何?」
「夢を探しにどこまで行ったんだ?」
「え?さあ、それは私には分からないわよ。だって片山くんのことだもん」
「違うおまえのことを聞いてんだよ。良太も今のおまえと同じようにしたんだろ?じゃあおまえは夢を探しにどこに行こうとしてるんだ?」
「あー、それはー・・・」
こんどは春香の声が途絶えた。そして必死に考えた。
自分は今何のためにここに居るのだろう。分からない。何も出て来ない。
そりゃあそうだろう。何もしていないのだから。
春香の中にあせりがこみ上げる。じんわりと暑い、あのあせりが・・・。
しかし、それはもう苦しくはなかった。
「ごめん。まだよく分からない。なんか外に出たくて飛び出したのはいいけど、どこへ向かえばいいのか、目的が決まってないって感じなんだよ」
そのあせりが引き始めると、春香は低い声で直人に言った。
「そう言うことにしておこう」
ようやく直人は言葉を紡いだ。
「なあおい」
「何?」
「夢を探しにどこまで行ったんだ?」
「え?さあ、それは私には分からないわよ。だって片山くんのことだもん」
「違うおまえのことを聞いてんだよ。良太も今のおまえと同じようにしたんだろ?じゃあおまえは夢を探しにどこに行こうとしてるんだ?」
「あー、それはー・・・」
こんどは春香の声が途絶えた。そして必死に考えた。
自分は今何のためにここに居るのだろう。分からない。何も出て来ない。
そりゃあそうだろう。何もしていないのだから。
春香の中にあせりがこみ上げる。じんわりと暑い、あのあせりが・・・。
しかし、それはもう苦しくはなかった。
「ごめん。まだよく分からない。なんか外に出たくて飛び出したのはいいけど、どこへ向かえばいいのか、目的が決まってないって感じなんだよ」
そのあせりが引き始めると、春香は低い声で直人に言った。