シーソーが揺れてる
「じゃっ、後は若い物同士で」
良太が座るのを見るなり直人はベンチから立ち上がろうとした。
「えっ?待ってくださいよ先輩」
慌てた様子で良太は直人を見た。
「あんただって充分若いでしょー」
冷ややかな声で春香は言った。
「そうですよ」
「良太よりおれは年寄りだろうが」
「一つしか変わらないじゃないですか」
「一つってことは、あなた、19?」
春香は良太を自分たちよりも年上だとばかり思っていたのだ。
「そうです。でも後2ヶ月ほどで二十歳ですけど」
「そうなんだー」
「ところで西山さんは普段何されてるんですか?」
「私?」
「毎日遊んでる」
二人の間を直人は割って入った。
「毎日遊んでるって、・・・!まあ、そうなんだけど・・・」
春香は高校を出てから今までのことを簡単に良太に説明した。
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