シーソーが揺れてる
「はいもしもし」
良太は迷わず携帯を開き電話に出た。
「しっかし暑いなあ」
良太が電話に出ると直人は退屈そうに空を仰いで独り言を言った。
「はい、すぐ戻ります」
そう言って良太は携帯を閉じた。
「親父からか?」
良太が携帯をしまうのを見計らって直人は聞いた。
「そうです。得意先の人、もう来てるみたいですよ」
「なんだもう来てんのかー?早すぎるぞー」
「あんたが遅いんでしょー」、西山さんが居たらそう言われるんだろうなあ先輩・・・。
良太は心の中でそう思いながらくすくす笑いそうになるのをぐっと堪えた。直人に見られたらまた冷やかされるからだ。
< 40 / 284 >

この作品をシェア

pagetop