シーソーが揺れてる

「あら、友達がたくさん居るみたいでいいじゃない。そんなに友達が居るならわざわざ合コンなんかに行かなくても・・・」
「・・・！」
春香の言葉に良太は思わず身を固めた。その様子に気づいた春香は、「ごめんもしかして、言っちゃいけなかった？」
戸惑いの視線を良太に向けた。
「いえ、言ってはいけないことではないんですが、先輩に・・・」
「おい良太おまえなあ」
直人は思い切り良太を睨んで見せた。
「すっすみません」
怖さのあまり良太は直人から身を遠ざけた。しかし直人はぱっと目の色を変えて、
」おれも連れてって」
と良太に訴えた。
「えっ？」
拍子抜けしたような空っぽの瞳で良太は直人を見上げた。
「勝手に行って来い」
軽蔑したような春香の声が飛んだ。