シーソーが揺れてる
「あー外涼しい!」
ラーメン屋から出ると広美は声をあげた。
「そうだね」
広美に併せて春香は答えた。外では肌に心地いい夜の風がそよそよと吹いていた。
「私汗びっしょりだよー」
そう言いながら広美はべとつく前髪を撫で下ろした。
「そりゃあんた激辛担々麺食べたんだからあせもかくでしょう」
「えへへ」
広美は照れたような笑いを浮かべた。
「で?帰りのバスが何分なの?」
「その前にさあ、コンビニ寄ってもらってもいい?」
「いいけど、何買うの?」
「アイス食べたいなあって思って」
「え?あんたまだ食べるの?」
「当たり前でしょう。暑い物食べた後には冷たい物でクールダウンしなきゃ」
「はあ、なるほどね」
春香は少し呆れ気味に広美の後ろ姿を見つめた。
< 77 / 284 >

この作品をシェア

pagetop