シーソーが揺れてる
「あーがりがりくんだー懐かしい!」
アイスが並ぶ冷蔵庫の方から広美の叫ぶ声が聞こえてきた。
「ちょっちょっと広美、恥ずかしいじゃない」
春香は両手で自分の口を抑えた。
「ハーゲンダッツもなあ」
春香は広美の方をできるだけ見ないようにしながら視線をふとレジに向けた。すると、
「あれ?・・・!」
お会計をすませ入り口へと歩いていく人影に見覚えがある。
気がついた時には春香の足はコンビニの入り口に向いていた。その人影が振り向かないことを祈りながら。
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