シーソーが揺れてる
「そういえば、あの二人元気かなあ?」
「二人とも天候しちまったからなあ」
「でも達也君は高校は地元に戻ったんだよね」
「らしいね」
「それで今は調理系の学校行ってるって聞いたけど」
「ふーん。で、大介は?」
「大介君は東京の大学に行ってるって噂聞いたことあるけど・・・」
「なるほどねえ」
「あと美佐子ちゃんは看護学校行ったみたいだし、香りちゃんは留学しちゃったしね」
「どこに?」
「アメリカのどこだったかは忘れたけど語学留学だって。」
「へえ」
「みんなそれなりにがんばってんだなあ」
「そうだねえ」
話ながら春香は自分の胸の中がだんだん切ない気分でいっぱいになっていくのをひしひしと感じていた。
「あー思い出した!」
しんみりしかけた空気をぶち破ったのは直人の声だった。
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