シーソーが揺れてる
「そっちは明日も予定無いんだろ?」
「残念でしたー、明日こそ本当に予定があるの」
「何があるんだよ」
「午前は心療内科の通院、午後は合唱の練習があるの」
「へえ」
「デートなら片山君としたら?」
そう言った瞬間、春香の頭に昨日のことがぼんやりと浮かび上がってきた。
コンビニを出て行く良太、駐車場に止められた重低音が流れる車に乗り込み姿を消した良太。
「男とか?」
しかしその光景は直人の声に寄りすっと消え失せた。
「なんなら合コンにでも参加してくれば?」
「おーそれもいいなあ。いやでもなあ」
直人は何か考え込むような様子を見せた。
「何?女の子から声がかかるか不安なの?」
「いやそうじゃなくて、良太がなあ」
「えっ!」
良太と聞いて春香の体がびくっと動いた。
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