トーク!
手を繋ぎたいってことには気づいてくれないけど、こういうことは気づいてくれるらしい。


そういうのキュンとする。
あたしをちゃんと見てくれてるって気がしてキュンとする。


あたしのにこにこ王子様。


デートに誘うのだっていつもあたしから。
電話だって、ほぼあたしがかけてる。


けど、王子様だから仕方ないって半分諦めてたからあたしに、新杉さんからのお誘いは衝撃だった。


嬉しすぎて、そのあとの映画は隣の新杉さんが気になってしかたなかった。
そんな興奮に、どうにか触れられないかって、ふてぶてしく手を肘置きに置いてみたけど、それは叶わなかった。


だけど、そんなことが気にならないくらい浮かれてたあたしは、それでも必死で新杉さんの方に体を寄せた。

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