トーク!
その着信音はやけに大きく聞こえた。


それは多分、その新杉さん専用の着信音のせいで、一階のリビングに居たあたしは、普段だったら絶対聞こえないはずの2階の自分の部屋からの音に急いで階段をかけあがった。


だけど、部屋にたどり着くころには着信は切れてて、


「どうしよう……」


すぐにかけ直すべきなのかって迷う。


あたしの右手には、不在着信1件の文字
が刻まれた携帯電話。
軽くデコられてる表面がキラキラしてる。


なにも考えずに取れればよかったけど、何の電話だったのかって一瞬考えてしまったから、着信履歴から発信ボタンを押すのを躊躇してしまった。


だって考えてみたら、もうすでにあれから10日も経ってて、

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