トーク!
別れの電話なんだろうか。
それとも、ホントに10日放置したって、何も変わらないんだろうか。


新杉さんは、なんとも思わなかったんだろうか。


だけど、最低でも、上半身はだかのこんな状態で別れ話はしたくなくて、タンスの引き出しをあけたあたしの耳に、


「あのさ、今、六花ちゃんの家の前にいるんだけど……、」


新杉さんのそんなお言葉が降り注いだ。


「え……?」

「ごめんね?急に。でも、ちょっと会いたくて」

「えぇ!?」


落ち着けわたし。


会いたいって言ったって、それが良い意味だとは限んない。
別れ話はちゃんと会ってからっていう、新杉さんの信念かもしんないし、喜ぶにはまだ早い。

< 46 / 64 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop