逃げる女
「い、一緒にって…そんなの絶対無理だよ!!」


『ぶはっ!!冗談だよ!』



お腹を抱えて笑う森田君。からかわれただけと気付き一気に真っ赤になる。笑い続ける森田君を見て泣きそうになった。



『ご、ごめん!!…嘉島の事馬鹿にして笑ったんじゃないよ!必死になって否定してるのが、かわいくてつい…』


「か、かわいい!?…変な事言わないで!!」




私はそのまま、走って教室から逃げた。




私がかわいいなんてある訳ない。
そんな事わかっているのに、ドキドキが止まらない。




からかわれただけと、わかっているのに、初めて言われたかわいいと言う言葉に、ときめいて…愚かな私はすぐに森田君に恋してしまった。



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