逃げる女

貴重な放課後のおしゃべりの時間だったのに…



けれど、あと１日…
明日がある。しかも明日は森田君の誕生日。




明日は最後なんだし、いっぱい話せるといいな。
出来れば、森田君の電話番号とか聞いて、離れてもたまには連絡とか取り合いたい。



森田君から聞いてくれないかな…。
もし、何も聞かれなかったら私から思い切って聞いてみようか。



森田君が誕生日の日に、私と話していたいと言ってくれたので、少しだけ、大胆な考えをもつようになっていた。




本屋で森田君の欲しがっていた本を見つけて購入する。



そのまま渡すのも飾りっ気がないので、プレゼント用のラッピング紙を買って帰った。



明日、渡したらどんなに喜んでくれるんだろう。
想像するだけで顔がにやけてしまい、その日はなかなか寝付けなかった。



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