逃げる女
2月29日
学校では下級生も参加の卒業式予行演習が行われた。
その日はそれだけで学校も終わる。
私は朝から終始落ち着かなかった。
いつもより数段早い時間に訪れる放課後。教室にはまだ何人もクラスメイトが残って談笑をしていた。
私は森田君へのプレゼントを入れた紙袋を机の横にかけたまま、教室を出た。
図書室から借りていた最後の一冊の本を返しに行くためだ。
図書室にいる司書の人に挨拶をして、本を返却する。
『明日で卒業おめでとう。大学へ行っても沢山の本を読んでくださいね。』
にっこりと微笑む司書の人に私も微笑み返して図書室を出る。
まだみんな教室に残ってるのかな。
教室へ近づくと廊下にはまだ数人の上着がかかっていた。
やっぱりまだ残ってる人達いるんだ。
本も返しちゃったし、自分の席で本を読みながら、みんなが帰るのを待つことも出来ないし…
どうやってみんなが帰るまでやり過ごそうか…
教室の入り口の前で考えている私に中からの声が聞こえてきた。
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学校では下級生も参加の卒業式予行演習が行われた。
その日はそれだけで学校も終わる。
私は朝から終始落ち着かなかった。
いつもより数段早い時間に訪れる放課後。教室にはまだ何人もクラスメイトが残って談笑をしていた。
私は森田君へのプレゼントを入れた紙袋を机の横にかけたまま、教室を出た。
図書室から借りていた最後の一冊の本を返しに行くためだ。
図書室にいる司書の人に挨拶をして、本を返却する。
『明日で卒業おめでとう。大学へ行っても沢山の本を読んでくださいね。』
にっこりと微笑む司書の人に私も微笑み返して図書室を出る。
まだみんな教室に残ってるのかな。
教室へ近づくと廊下にはまだ数人の上着がかかっていた。
やっぱりまだ残ってる人達いるんだ。
本も返しちゃったし、自分の席で本を読みながら、みんなが帰るのを待つことも出来ないし…
どうやってみんなが帰るまでやり過ごそうか…
教室の入り口の前で考えている私に中からの声が聞こえてきた。
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