逃げる女
ゲラゲラと大声で笑うクラスメイト達。



やめて…



何で森田君の前でそんな事言うの?
あなた達にどうしてそこまで言われなくちゃいけないの?



太っててそこまで言われるほど、あなた達に迷惑かける事もなかったはずでしょ?




怒りと恥ずかしさで、震えてくる。



『何これ!本じゃん。あいつこんなもん森田にプレゼントしようとしてたの?』


『本なんて渡されても、困るっつーの。なぁ森田?とにかくさ、こんなもん放って置いて帰ろうぜ!』



足音が近づいてくる。


みんなが教室から出て来ちゃう!



どうしよう。どこか…隠れなきゃ!



辺りを見回しても隠れるようなスペースなんてどこにもない。



それどころか逃げたいのに、足が動いてくれない。



このままじゃ見つかっちゃうのに。
早く…早くここから立ち去らなくちゃ!!





無情にも教室のドアが開けられてしまった。



動けない私と対面するクラスメイト。



お互い固まったまま動けない…



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