逃げる女
そんな私を見向きもせずに立ち上がり、冷蔵庫から新しいビールを取り出す充。



『ひとりだと可哀相だと思って来てやったんだ。感謝すれよ。』



「だったら少しは優しい言葉くらいかけてよっ!」



『よけい惨めになるぞ?いいのか?』



「〜っ!!もういいよっ!充の阿保!私の分も取って!!」



くっそ!今日はヤケ酒してやる!!



『これが最後の1本でした。』



そういってビールを開けようとする充。



「ちょっと!!私の買い置きしてたビール飲まないでよ。最後の1本なら私の物よっ!!」



思い切り突進して缶ビールを奪う。



『てめっ!!早いもん勝ちだろ!?』



私からビールを奪おうとしてムキになる充。



「私のだってば!」


『俺が先に取っただろ!!』


お互い一歩も譲らないで缶ビールを奪い合おうとする。




私は、充を押しのけて、その隙にプルタブに手をかけた。



「早いもん勝ちなら、私の物ね!!」



開けて口をつけてしまえばこっちの物!!



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