逃げる女
『ちょっと!!充は知ってた!?美里と武志との事』


興奮しながら側までやって来た充に問い詰める泉美。


だからさ!もっと気遣ってよ!当事者を目の前にして、しかも!泉美は知らないとはいえ、昨日あんな事してしまった充にその話題振らないで!



『おお。昨日美里から聞いた。んで、昨日はヤケ酒付き合わされてた。なあ?』


へ?


『え?そうなの?私にも連絡してよ!』



「ご、ごめ…」



『泉美、こいつのヤケ酒見たことないだろ?ひどかったんだぜ?誘われなくて正解だよ。』



あれ?




『それくらい友達だもん。いくらでも付き合うのに!』



『なんだ。じゃあ泉美にも俺から声かけとけばよかったな。』











家を出るまでは、あんなに動揺してたくせに。


充ってば…本当にいつも通りに接してくれてる。



『美里?どうした?』



ほら。今だって何もなかったかの様に話しかけてる。
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