逃げる女
けれどそんな私にお構い無しで、メールを打ち込む泉美。きっと合コンメンバーに連絡をとっているんだろう。
パタンと携帯を閉じてニッコリ微笑みこう言って立ち去った。



『私、一旦家に帰るね。美里の家に迎えに行くからよろしく!』



「ちょっと泉美!私、行かないからねっ!」



私の答えなんて完全無視でいなくなった泉美。


そして残された私と充。





『どうすんの?』



「…何がよ。」




泉美の後ろ姿を見ながら私に問い掛ける充。


『合コン。行くの?』



「…行かないって今言ったの聞こえなかった?」




『あっそ。』





…何その返事。



「行くなよ とか言ってくれない訳?」



つい口から出てしまった。けれど充はそんな私をちらりと一度見て、すぐに目線を外す。



『何でそんな事言わなきゃいけないんだよ。俺には関係ない話だろ?』





冷たく言い放つ充の言葉に息がとまってしまった。
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