逃げる女
お金を払って、大志君の元へ戻ろうとするとき、声をかけられた。



『大志とはもう付き合ってんの!?』



「…そういう関係ではないよ。何で?」


『そうなの?…いや別に何となくいい雰囲気だったから、聞いてみただけ。』



「…大志君てよくここにきてるの?」


他の女の子と…



『今日は久し振りかな。あいつ教えるの上手いから、一緒に来るとみんな上達して帰るんだよ。』



「…そう。」



教えるの上手い。
それって…みんなに同じ様に教えてるって事だよね。

密着して…手取り足取り。

他の女の子と同じような扱いされてるのなんて、すごいヤダ。
むかつく。



私は…こんなんじゃ、落とされたりしないんだから!


誓いをたてて、大志君の元へと戻った。



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