逃げる女
『もう少し側にいたかったんだけど、ごめんね?』



バイトのある泉美は申し訳なさそうに言った。



「そんな…私こそ心配かけてばかりでごめんね…」




『明日またくるから!』


「明日には退院できるんだから、無理して来ないで。もう平気だから、ね?」


『…じゃあ、学校でね!』


泉美が病室を出て、残された私と充…。



充は泉美と先生が来てから一言も口を開かず、ただ側においてある椅子に俯いたまま座っていた。



「…充も…そろそろ帰った方が…」


言いかけた病室に誰かが入って来た。


見るとそこにはさっきの女の子の姿。



ズキンッ…



「あ…」










どうしよう…



また充と2人きりの所見られた…
泉美がもう少しここにいてくれたら良かった。



中へ入ってくる女の子。


顔をあげる充。
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