逃げる女
お店を出て、行く宛もなく歩き始めた。


私は大志君の少し後ろを歩く。


『後ろだと見えなくて不安になるから、手繋いでてもいい?』


立ち止まり振り返って、私に尋ねる大志君は、少し照れ臭そう。


それを見てキュンとしてしまう私は、かなり大志君の事好きになってるんだと思う。
けれど…


「ごめん。ちゃんと隣歩くね?」


笑顔で答えて、大志君の隣へ駆け寄り歩き出した。
大志君側に鞄を持って、ガードする。



少しだけ微妙な空気が流れてる気がした。


『この後どうする?』


気まずそうに聞いてくる大志君。この後?考えてなかった。ご飯とか?でもまだ早い時間だし…


『カラオケとかは?』


カラオケ→個室→2人きり


…無理っ!!



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