逃げる女
『だからっ!違うの!!』

私は自分の気持ちを伝えて終わらせるつもりだったのに、まだ違うと言い張る女の子。



違うって何が?




『私が、言っているのは…充君の事じゃないのよ…』



「………は??」



充じゃない??


じゃあ他に誰が!?



『昨日…武志と2人で話しているの見て、それで私…充君にどういう事なのか聞いてたの…』




「た、武志?…え?…ええっ??」



『武志とやっと付き合えたのに、別れたはずの彼女と2人でいて…しかもなんか泣いてるし…』



「それはッ!」



『…全部武志から聞いた…勘違いして殴って本当にごめんなさい…』


しゅんとしている女の子を見ていた。けれどすぐにはっとして問い掛ける。



「あ、あなた充の彼女じゃないの!?」



こくんと頷く女の子。




じゃあ何?
昨日武志といる私をみて、またヨリを戻されるんじゃないかって思われてたの?



「た、武志とは、もう終わってて…」


『知ってる。』


「一言謝りたくて、昨日会っただけなの!」


『…武志から聞いたわ…』
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