逃げる女
『今の話…本当?』


「ど、どの話??」



時間を巻き戻したい。
好きだと口走る前に…


いやいっその事充と初めて出会った頃まで巻き戻してしまいたい!!



『だから、お前の気持ち…』




ベッドの上の手をきゅっと握られる。



真剣な眼差し。








「本当だよ…」



もう隠したくない。



ちゃんと伝えたい。










「充が好きなの。好きだったの…」










ふわっと抱きしめられる。


ぶつけた肩にふれないように優しく抱きしめてくれる





『…いつから?』




いつから?


そんなの知らない…
でもきっと…




「初めて出会った頃からだと思う。…近すぎて…気付いてなかった…」


『本当に馬鹿だな…』




「そうだね…」



『でも…俺のが大馬鹿だな。』




そういって少しだけ離れる充。



至近距離で見つめてくる充にドキドキしてしまう。
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