逃げる女
赤い顔の充。
私まで伝染したかのように赤くなる。


『なかった事にしよう、とか、いい友達、とか言われてかなりへこんだ…その上昨日は泉美から、美里が武志と会うらしいってメールまで送られてくるし…美里はまだ武志に未練あると思ってた。』


「泉美?え?え?泉美がなんで充にそんなメールするの?」



『美里が合コンの次の日学校サボった時にばれた。泉美も一緒に美里の家に行くって言ったの、俺ひとりで行きたいって言ったから…』



「い、泉美はバイトって言わなかった!?」



『それは嘘。どうにか俺の事意識して欲しくて、とりあえず2人きりで話したかったんだよ。』






「本当に私の事好き…なの?」



『ずっと…好きだった…』




「充っ!!」



肩が痛いのなんてどうってことない。



言葉だけじゃ足りない気がして、思い切り充に抱き着いた。
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