逃げる女
全て大志君のペースになってしまってて。


大志君の友達の話なんて立ち聞きしてなければ、こんな気持ちになってなかった。

純粋にデート楽しんで。


疑う事も飽きられる不安もなくて。



そうなってたはずなのに。


「…大志君てモテるでしょう?」


『え?急に何?』




「何となく言いたくなったの。モテそうだなって。」


『それをいうならそっちでしょ?…彼氏とかはいないんだよね?居ないものだと思って今日誘ったんだけどさ。』


「いたら、私、合コンは行かないよ。…元々苦手だし、昨日も行くつもりなかったんだけどね。大志君は?」




『俺だっていないよ?
最近まではいたけれど、振られたし…』



ん?



「振られた?誰が?」



『俺が。』



「うそ!だってっ!!」




『嘘じゃないよ。なんで?』




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