逃げる女
あの時立ち聞きなんてしなければ、私はきっと今頃付き合う前のドキドキ感を楽しんでたんだろうな。


キスだってされてもっともっと幸せな気分に浸っていたかもしれない。


大志君に誘われたら、他に用事があったとしても、キャンセルして優先したと思う。



「どうすれば、上手くいくんだろ…」



私の問いかけは虚しく部屋の中で響くだけだった。




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