逃げる女

昨日は友達の綾に騙されて行った合コンだった。


私達が行くと全員揃っていて、運ばれて来た薄いジュースのようなカクテルを渡され乾杯させられる。


「綾、女の子だけの飲み会って言ってなかった？」


耳元で尋ねる私に、


『あれ〜？そんな事言ったっけ？』


なんて軽くあしらわれる。くそっ。合コンだとわかれば絶対来なかったのに。


恒例の自己紹介に、どの学部が尋ねられる。


そして皆それぞれ楽しそうに色んな会話をあちこちに投げ掛け盛り上がり始めた

はぁ。つまんないな…何が楽しくて知らない男共と上辺だけの会話をしてなきゃいけないんだろ…


１番端の席で適当に返事をしていたら、気付けばひとりで飲み食べしていた。




『美紀ちゃんだっけ？次何飲む？同じのでいい？』


そう声をかけて来た男に、ビールを頼んでもらう。



隣にいた綾がテーブルの下で私を蹴飛ばす。


『ちょっと！合コンなんだからもっと楽しそうにしてよっ。それに、ビールなんて頼まないで可愛らしくカクテルとかにしておきなさいよね。』



…騙して連れてきたくせに私に楽しめと？
そんなの無理にきまってるでしょ！？

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