逃げる女
「…そっちは何も食べないの?」


『俺らはさっき食ったから。どうぞ、気にせず食べて。』



食べてと言われても、向かい合わせで座った3人は、私と綾の食べてる所を見てるだけで、中々話をしてくれないから食べずらくてしょうがない。


綾も同じ気持ちみたいで、食が進んでない。



「あのさ、話って何?…大志君の事だよね?」


綾に申し訳なくなって、私は自分から切り出した。



『うん。食べながらでいいから聞いて。あいつとこないだお昼に会ったよね?それからかなり落ち込んでるんだ。だからじっとしてられなくて、誤解を解こうと思って。』



「誤解って?」




すると真ん中に座っていた男の子が続きを話し始めた。


『こいつの事、誤解したでしょう!?ごめんね?ほら、お前も謝って。』


女の子の肩を抱きながら促す真ん中の男の子。


バツのわるそうな顔をしながらも女の子は


『誤解させて、ごめんなさい。私大志に色々相談乗ってもらってたの。あの日も、大志に色々話してた時に突然居なくなるから、頭きちゃって。しかもその大志の前に居たのが、アンタだったから…』



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