逃げる女
北海道へ来て4年。


1月31日

私はカレンダーをめくり2月の暦を眺める。

真っ先に目に入る29日。

私はまた1月の暦へと戻して家を出た。






大学も長い春休みへと突入して、卒業を間近に控えた私は家とバイト先との往復の生活を送っていた。



就職先も決まって、後は卒業を控えるだけの私はバイト先にいいように使われる。

それも2月いっぱいでおしまいなんだけど。



今年は雪が少ないほうかななんて思っていたのに、年が明けてから信じられたいほどの豪雪で、雪の積もらない街で育ってきた私は、4年経った今でも、雪のある生活に慣れなかった。



それでも、雪の上を歩くと鳴る、キュッキュッという音はひとりで歩く私を励ましてくれてるようで、キライじゃなかった。



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