逃げる女
15時00分
ランチタイムを終えて店を一旦閉めてからの昼食をとった。


暇だななんて思ったけれど、この吹雪の中客足は途絶えることなくやって来た。


『あ〜腹ったぁ!!』


帰る前に賄いを食べる岡島君は着替えも済ませて、カウンターに臥せている。



「朝ご飯抜いてくるからよ。体調崩すわよ?風邪引いてもしらないんだから。」

『だって、早番の時はぎりぎりまで寝てたいじゃないっすか。嘉島さんは食べてきてるんすね。』



「軽くだけどね。体もたないもん。」



『出来たぞ!』


店長が美味しそうな賄いを作って持って来た。


今日はアサリの和風パスタにサラダ。岡島君のは大盛りにされている。



「いただきます。」




ここでバイトを長く続けられた最大の理由。

それは店長が作る賄いのお陰だ。
カロリー計算された賄いご飯を出してくれる店長。


4年前、泣いて賄いを拒否した私の為に店長は、消化のよい、ダイエットメニューを私に作ってくれる様になった。


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