逃げる女
当然長続きなんてするわけもなく、絶食を断念すると過食へ走り、また後悔して絶食をするといった悪循環。そんな時ここでバイトを始めたんだっけ。


「店長のお陰なんですね。今の私がいるのは…」


『見た目が多少変わろうが、朋美は昔から変わらず真面目でいい子だよ。』


家での食事もレシピを渡してくれた店長。
いくら感謝しても足りないくらい。


『…打ち上げ…2月29日にしておいたから。その日お前は通しでバイトだ。その方がいいんだろ?』



「店…長…ありがとう…」


店長には洗いざらい全てを話した。と、いうより無理矢理話させられた。それで全てを理解して、私のダイエットに協力してくれたんだ。少し歳の若いお父さんのような存在で、私の唯一の相談相手。


『平気か?』



「うん。もう4年も経つんだよ?でも少し不安だったから、良かった。」


『まぁ、でも俺は周りから鬼店長って言われるんだろうな…最後の日に通しで働かせるのかってみんなにどやされそうだ…』


「ふふっ。私が自らお願いした事にしておいてください。」


『そうさせてもらうか。』


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