逃げる女

雪祭り

「お疲れ様でした。」



バイトを終えて更衣室へ行き、着替えを始める。


『今日も結構忙しかったですね。』



夜のバイトの由美ちゃんが肩を叩きながら同意を促す。



「そうだね。」


『そろそろ雪祭り始まりますけど、観光客とかここに来たらますます忙しくなるんですか?』



「あまり来ないかな?ここって会場から少し離れてるし。」


『よかったぁ。』



地方からの観光客は、すごい着込んでてすぐにわかる。このお店は雑誌などに載せているような所ではないので、どちらかといえば穴場的なお店だ。
雪祭りがあるからといって客数が格段に増えるということはない。


『お先に失礼しまーす。』

由美ちゃんが先に更衣室を出て行き、私は最後に電気を消して更衣室を後にした。


.
< 77 / 197 >

この作品をシェア

pagetop