逃げる女

『俺は来週地元の大学の２次試験。面接の練習してて、今終わった所。』



「そう。頑張ってね。」


この頃３年生は大学の試験シーズンで、登校してくる生徒も数少なくなっていた。


推薦の決まった私は、ただ登校してきて、自習となった授業時間に、借りた本をひたすら読むという生活を送って過ごしてた。



『北海道か。いいな！』


「え？」



『だってスキーとかボードとか…やりたい放題じゃん！』


「私は、運動とかあまり得意じゃないから…」



『そうなの？楽しいのに。俺が嘉島に教えてあげようか？』



「へ？」




『やってみたら絶対はまるって！だからさ、俺が北海道に旅行いったら教えてやるよ！』



「い、いい！悪いし…」



『その代わりさ！嘉島の家に泊まらせてね。そうすれば宿代かからないもんな。』



「無理！部屋狭いだろうし布団だって、１組しか持っていかないんだし！」



『一緒に寝ればいいじゃん。そうすれば北海道の冬でも寒くないよな！』



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