双子×双子
「見たい!!」


「神無?!」
「?!おい!」


恭祐の訴えは悠祐に届く前に神無に吹き飛ばされた。神無の一言に兄2人は目を見開き、悠祐は1人フッと笑みを零した。


「じゃーついてきて。」


「はい!!」


「神無!!」


弟達はSっ気が多いようだった。2人は満面の笑みだが勝ち誇ったような作り笑いを浮かべている。それに対し残りの2人は戸惑い眉の下がったような顔をしていた。そして再び悠祐は恭祐の手を引いた。


「おいお前!…うわっ…離せっ…っくぅ…助けろ。」


「はっはい!!…神無?」


「水無も行こ?…行くよね?」


恭祐は必死に助けを求めようやく水無が気づいたと思い少し気を緩めると神無が水無に近づいた。そして肩に手をかけ連れて歩き始めた。その行動に恭祐は驚きを隠せずその前に思わず叫んだ。


「おい!助けろよ!」


「神無が行くなら。」


「おい!」


水無は人に左右されやすかった。だから恭祐は声を掛けたのだが双子で尚且つ兄弟の神無には到底及ぶはずもなかった。そんな姿に恭祐は呆れた。皆が皆…1人は不可抗力だが…自分の敵になってしまったのだ。


「…っ…どいつもこいつも…付いて来なくていい。というか来るな!」


「悠祐先輩が誘ったんですもん。行きますよ。」

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