双子×双子
思い当たる節がなかなか見つからないため直接問う。いつの間にか手も止まっていて恭祐にズイッと顔を寄せてた。


「クスッ。さぁ。だから言うか言わないかはお前の行動次第というわけだ。俺はやめろと言ってあるからな。止めなければ俺は隣の部屋の奴らにも聞こえるように名指しで恥ずかしい事を言ってやる。あんな事やこんな事…確か大きな声は隣に届くんだったよな〜。あぁ、こいつらにも聞こえるんだな。さて何から言おうか。クスッ。俺がお前の隠している事が分からないとでも?」


「う゛…分かった。」


いつも一緒にいる兄なのだ。自分のことを知らない部分がある方が確率は低い。悠祐は大人しく手首に絡みついた紐を解く。少しうなだれながらベッドを降りていく弟の姿をよそに恭祐は解放された瞬間安堵のため息をつき手首をぶらぶらと振って血流を戻し双子に顔を向ける。


「ふ〜。悪いな。見せてやれなくて。」


「いえ。だいぶ面白いもの見せてもらいました。これからが楽しみです。」


最後の一言に引っかかりを覚えたが今はこいつらを追い払わなければならないと続ける。


「?…もう帰れ。ここにいても何もない。」


「そのつもりでしたけどなんか帰れなくなりました。」


「は?(どういう意味だ?)」


言ったのは神無だった。恭祐はいった意味が全く理解できず眉間にシワを寄せた。


「悠祐先輩♪恭祐先輩、僕がもらっていいですか?」


突拍子もない一言だった。2人…否、3人はあっけらかんとして口が開いたままだった。


「え?」


異口同音に声が揃う。


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