双子×双子
「水無が悪いんだよ。僕を怒らせたりするから〜。」
「──っ!…いや…やだ…神…無…っんっ…止めて…ふっ…ひくっ…」
神無の目の色が黒ずんだ瞬間だった。その気に圧されじわっと涙が浮かび耳元へ流れる。水無の首下に顔を寄せ、横目でそれを見る。
「泣いたってだめだよ。」
神無は1つ溜め息をつく。
「…先輩を好きじゃだめなの?誰を好きになったって僕の自由じゃない。水無には関係ない。」
「あるっよ…あっ…きょうだっ…なんだっから…っく…はっ…」
「兄弟だから何?僕は僕のもの。何したって自由だよ。」
時折弱い部分に触れる手に水無は身体で応えている。そこから頭も巡らせ会話を続ける。
「神無は知らないんだね…。」
「…何を?」
神無の手がぴたりと止まった。そのために脳に余裕のできた水無は少しずつ涙を抑えていった。
「好きって意味。」
「…?知ってるよ。」
神無の口調は怒りが表れている。水無は冷静になり、優しく諭すように言う。
「分かってないんだよ。」
「さっぱり意味が分からない。」
神無は半ば呆れていた。口調からもその様子が伺える。だが水無はそれを気にせず続ける。
「好きっていうのは他の事に気を引かれずにその事を思うことだよ。神無の心は彷徨ってる。」
「ははは…好きって、自分が好きだと思えば好きなんじゃないの?」
「本気で思わなきゃ好きだとは言えない。」
まるで感情の感じない、ただ馬鹿げているというような顔と口調で水無を見下ろす。水無は分かってほしい一心で強い眼差しを神無に向けきっぱりと言う。するとスッと神無の目が細められた。
「…水無。僕は僕の気持ちに従うよ。自分なんだから。」
「そう…。じゃあ僕と先輩の好きの違いは?…自分なんだから分かるでしょ?好きの類くらい。恋愛感情って色んな人に湧くものかなぁ。」
「…水無…。」
意地悪な顔つきの水無に神無は戸惑いの表情をちらつかせぽそっと名前を呼ぶ。
「──っ!…いや…やだ…神…無…っんっ…止めて…ふっ…ひくっ…」
神無の目の色が黒ずんだ瞬間だった。その気に圧されじわっと涙が浮かび耳元へ流れる。水無の首下に顔を寄せ、横目でそれを見る。
「泣いたってだめだよ。」
神無は1つ溜め息をつく。
「…先輩を好きじゃだめなの?誰を好きになったって僕の自由じゃない。水無には関係ない。」
「あるっよ…あっ…きょうだっ…なんだっから…っく…はっ…」
「兄弟だから何?僕は僕のもの。何したって自由だよ。」
時折弱い部分に触れる手に水無は身体で応えている。そこから頭も巡らせ会話を続ける。
「神無は知らないんだね…。」
「…何を?」
神無の手がぴたりと止まった。そのために脳に余裕のできた水無は少しずつ涙を抑えていった。
「好きって意味。」
「…?知ってるよ。」
神無の口調は怒りが表れている。水無は冷静になり、優しく諭すように言う。
「分かってないんだよ。」
「さっぱり意味が分からない。」
神無は半ば呆れていた。口調からもその様子が伺える。だが水無はそれを気にせず続ける。
「好きっていうのは他の事に気を引かれずにその事を思うことだよ。神無の心は彷徨ってる。」
「ははは…好きって、自分が好きだと思えば好きなんじゃないの?」
「本気で思わなきゃ好きだとは言えない。」
まるで感情の感じない、ただ馬鹿げているというような顔と口調で水無を見下ろす。水無は分かってほしい一心で強い眼差しを神無に向けきっぱりと言う。するとスッと神無の目が細められた。
「…水無。僕は僕の気持ちに従うよ。自分なんだから。」
「そう…。じゃあ僕と先輩の好きの違いは?…自分なんだから分かるでしょ?好きの類くらい。恋愛感情って色んな人に湧くものかなぁ。」
「…水無…。」
意地悪な顔つきの水無に神無は戸惑いの表情をちらつかせぽそっと名前を呼ぶ。