夢のほとり~妖と華~
ジリジリと歩みよる男。
それに対し私は、半分腰がぬけ…ほとんど足にも力が入っていない。
そして…男は私に向かって刀を振り上げ、斬りかかろうとしていた。
…もぅ、ダメ…………
そう思いながら、目をつぶった瞬間!
『‥ったく世話のやける女だ。』
…この声、夢の中できいた声だ。
『女。助けて欲しいか?助けてほしければ俺と契りを交わせ!!』
「なっに、言ってるの!?これは私の夢なのよ!!斬られたぐらいで死なないわよ」
『そうか、なら仕方ない』
その瞬間…鋭い痛みが腕に走った。
ゆっくり目をあけ、腕を見ると腕が斬られ血が滴り落ちていた。
「君…女の子みたいだから、可愛がってあげるよ」
また、男は不気味な笑みを浮かべた。
これは夢だよね?夢、夢、夢に違いないのに…
なんで、こんなに腕が痛いの…私、本当に此処で死んじゃうの~?
あんな、変人に斬られちゃうの…
『だから言ってる!!俺が助けてやると。だから、さっさと契りを交わしやがれ!!』
「‥はっ。はい!!」
あっ!つい返事しちゃった。