夢のほとり~妖と華~
†聖約†
『…よっ。あぁ…肩がスゲェ凝った。お前、何食ったらそんなデカくなれんだ!?』
あれから、どれくらい走っていたのだろう…
私は、古いお寺に連れて来られていた。
そして…乱暴にドサリと床に降ろされた。
「あんた…どんだけ失礼な奴なの!女の子に向かってデカいとか…おっ、おし…」
っと、彼に喧嘩を売っていると………
『…クスッ。アハハッ』
暗くて、よく見えない部屋の奥から私たちのやり取りを見て笑ってる人がいた。
『…おっと、これは失礼。私は安斎 妙案といいます。これでも、陰陽師を目指す者です。』
そう言って、窓から差し込む月明かりの下に立ち私をジロジロと見ていた。
『…ほぅ。これは…また、地味で冴えない娘さんですね。それに…暗そう……。』
「なっ、なによ…地味で悪かったですね。まったく何なのよ、ドイツもコイツも失礼な奴ばっかり」
『…おゃ!?怒られましたか?それにしても、犬黎、この娘と契りを交わしたんじゃないでしょうね!!』
「あぁ…まぁな。コイツ俺の声が聞こえたみたいだったからな!!」
おぃ。私をそっちのけでなに二人で話しを進めてるわけ??
っていうよりも、あの人*契り*の事、どうして知って……
「~ファァ」
なんだか、いろいろありすぎて疲れているせいか…
二人の横で大きなアクビをしてしまった。