夢のほとり~妖と華~
ふいっと私たちに背を向ける毬尾…
あれから私は、現実?いやいや元いた世界に帰れていない。
あの夜、連れて来られたお寺で過ごしていた。
なんでも、このお寺は物の化や妖しが出るという噂が町中に広まっているらしく…
人が全く近寄らないお寺。
妖しの検討はついてるけど…
あの三人はほとんど、人間の姿にはならず、犬、猫、狐のままだ。
昼間は、犬黎は何処かに行っちゃうし、鈴皇は私にべったりで毬尾は部屋の隅で寝てばかり…
安斎さんも、このお寺に居る事は少ない。
陰陽寮がどうの…っていつも言ってる。
『…で、鈴皇も嫌なのですか?』
『僕は誰でも気にしないよ』
「あの…でも私は犬黎と交わしてるのに!!」