夢のほとり~妖と華~
『‥お前。さっきから暗い顔して何やってんだよ』
中へ戻った、私に犬黎が言った。
「別に暗い顔なんてしてません。それに、この顔は元々です!」
『ったく…お前が、そんな顔してると周りの奴まで暗くなるじゃねぇかよ!』
あぁ~もう犬黎って本当に口が悪いんだから。
ムカつくぅぅ~!!!
奥の部屋で、一休みしていた安斎さんが私たちの元へやって来た。
そして、私たちのやり取りを見て、ハァァと大きなため息をついた。
『犬黎!静かにしなさい!!』
妙案のその一言で、静かになる犬黎。
そして、シュンとした様に体を丸くした。
『いいですか、つむぎさん。あなたは犬黎たちの主なんですよ!この者たちを上手く扱うのも主の役目ですよ』
「はい。」
ん…???
上手く扱うのも……!
主の役目かぁぁ……!
私の頭にある事が浮かんだ。
犬黎は犬神…だったよね!?
犬…犬…いぬ~~。