YO★RA
ある日、私は目を覚ました。
白いベッド、白いふとん、白いカーテン…どうやらここは病室のようだ。
また、腕には点滴がされていた。
窓を見て、それを鏡代わりに自分の顔をみた。
頭はボサボサ、疲れている顔…これはもともとかww…。
「あっ…。」
頭に包帯が巻かれている。
血が滲んでいる。
その血はきれいに赤黒く、悲しみと恐怖を覚えさせた。
起きてから数分後、看護師さんが来て医者を呼んだ。
「大丈夫かね?まだ怪我が痛むか?」
医者はかたっくるしく言わず、やさしく言った。
「…はい…。大丈夫…です…。」
「…そうか、それはよかった。」
優しい笑みを溢す医者。
それはとても温かかった。
「あ…お父さんと…お母さんは?……どこ…なの…?」
私は両親が心配だった、自分の身体よりも何よりも。
「…。」
「ど…こ…?」
なんで…。
この沈黙…。
もしかして、死んじゃったの?
死んで…ないよ…ね?
「……。」
「どこ…。」
「…。」
「どこなんですか!!」
あまりの沈黙に怒りが芽生えて怒鳴ってしまった。
「…ウウッウン…。あなたのご両親は…。」
「(ゴクリッ)」
「お亡くなりになられました。」
その言葉を聞いた瞬間、瞳孔が大きくなり頭の中からこれを全否定する声が聞こえた。
そして、私の中から二人の自分が出てきた。
〝ウソダ…ウソダウソダウソダー!!〟
〝ウソナンカジャナイヨ。〟
〝アンナヒドイコトヲスルオヤナンテシンデイイワケガナイ!!〟
〝ジジツヲウケトメロ。〟
〝ナニガジジツダ!ソンナノイシャノデタラメニキマッテル!!〟
〝ホントウニソウオモッテイルノ?〟
〝ソレハ…。ダッテダッテ…。〟
〝アナタハキットココロノオクソコデハ、オヤナドキライダトハオモッテイナイ。モシキライナラバソンナカンジニハナラナイ。〟
〝ワタシハウソナドイッテイナイ!〟
< 10 / 10 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop