YO★RA
私は緑の広がる平野にたっていた。
すてきな鳥達の声。
澄んだ美しく爽やかな風。
とても楽な気持ちだった。
「わたし…死んじゃったの?でも、死ぬようなこと…なかったよね…。」
此処は夢の世界なのか天国なのか。
それはわからなかった。
でもこの空間に少しでも長くいたい。
この心の痛みを少しでも塞ぎたい。
そんな時に目が覚めた。
「だ…ぶ…です…だ…じょ…で…か…」
なんだろう。
何を言っているのだろう。
ぼんやりと見える。
私を見ながら何かを言っている人が。
「だ…あ…れ…?」
意識がもうろうとしながら、その人に私は尋ねた。
「………。……。」
何か言っているのは分かるのに言葉が聞こえない。
でも私を助けてくれる人だとはわかった。
けど、ここは個人の家。
戸も閉まっていた。
こんな環境で入ってくるのは、泥棒か近所のとても親しい人くらいだ。
けれどこの家には近所のとても親しい人どころか近所の人とあまりよくないところだ。
ということはやはり泥棒?
いや…でもこの面影…見たことある。
ぼんやりとしか見えなせいか、誰だか特定できない。
そんなこんなを考えているうちに、また意識を失った。
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