3人の王子とあたし
転校生は嵐の予感
ざわめく生徒たち。
なかには、すっかり肌が真っ黒になった子もいる。
「えー、ではこれで式を終わります」
教頭先生のこの言葉で、あたしの高校生活1年目の2学期が幕を開けた。
式が終わり、あたしたちは教室へ戻った。
夏休みがあけてから見る担任の先生の顔は、とても太っていた。
こんなコト、思ったら失礼だよね。
なんて、思いながら。
そんな事を考えてる間にも、先生は何かを説明していた。
話、1つも聞いていなかったけど。
あとで、後悔するからやっぱ聞いておけば良かったけど。
そして、休み時間。
「萌愛~弁当食おうぜ~」
と言いながら、あたしの横に座るこのクラスの王子(らしい)。
「萌愛ちゃん、僕と食べない?」
とこちらも、このクラスの王子。
二人が睨み合う。
「あぁ?萌愛は俺と食うんだよ、引っ込んでろガリ勉!!」
はぁ…やっぱ始まった。
「ガリ勉とは、失礼だね?君は、もう少し日本語を勉強した方がいいよ」
「てめぇ、言うじゃねぇか?」
「君こそ、もう少し学習したらどうだ?」
二人のdebate(討論)はまだ、続くようで…。
バンッ