突然の結婚
「亜紀ちゃん。いらっしゃい!!

 拓海の奴はこんな無様なまねをしやがって…

 こんな奴に会社は任せることはできないな。

 母さん…拓海には言ってあるんだろう。

 亜紀ちゃんとの結婚ができなければ社長にはしないと…」


「もちろんよ。いくら自分の息子とは言え…こんな最低な男。

 副社長の座もあの子には難しいかもね…」

それは…って思ったけど・・・


「亜紀ちゃん…会社ってのは仕事ができればいいんじゃないんだよ。

 一社員として働くならそれでもいいが、

 上に立つものが相手の気持ちをくんでやることができなければ、

 その会社はそこまでだ。

 下になるものだって、やる気ができないだろ…

 拓海は仕事はできるが、上に立つのは難しいだろ…」


そういうと、お父さんは会社に出かけて行った…

残された、私と由香里おばさんは…


「亜紀ちゃん、ごめんね。

 でも、ちょっとの間、マンションに住んでもらえるかしら…

 実は、実家の皆さん、昨日から、海外に出かけているから・・・

 一人きりにするのは心配だし・・・

 そんな状態なら、拓海も手出ししないだろうから・・・」


私は「はぁー!!」って感じだった。娘の心配はしていないのだろうか?

相変わらず呑気というか…両親にはお手上げだった。
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