突然の結婚
「亜紀…何をしているんだ?
 あれはうちの企画の連中だな。合コンか?」


『拓海さんに何か言われることはありませんよね。自由にしていていいとおっしゃいましたから・・・』


「自由にしていいとは言ったが、うちの社の人間との付き合いはだめだ。
 後から面倒になりかねないからな…」

私が話をしようとしたところに…


「あれ?副社長…亜紀さんをナンパですか?
 新妻にしかられますよ…」

先ほどの彼が、拓海さんにそんなことを言いはじめた…


それに対して、拓海さんは、無視をするのかと思っていたのだけど・・・

「ああ…他人に対してなら、困るだろうけど…
 亜紀は俺の妻だから、問題ないだろう…」


拓海さんは初めて私を他人の前で妻と言った。


『どうして、人前で言うんですか?わたしに自由にしていいと言ったのに…』

「亜紀…はっきりと言っておく。
 自由にしてはいいけど、俺の妻であるということは忘れてはいけない。
 そして、既婚者であるということを隠しておくのも駄目だ。
 いいね。私は仕事があるから・・・」


そういうと、拓海さんはその場からいなくなった。


彼がびっくりしたのは言うまでもないけど・・・
< 37 / 78 >

この作品をシェア

pagetop