突然の結婚
『拓海さん、あの・・・
 お弁当作ったら、持って行ってくれますか?』

「えっ?」

『あっ…すいません。いやですよね。ごめんなさい。』

「ちがう!!そうじゃなくって…
 本当に作ってくれるの?」

『いいんですか?』

「マジでうれしい…俺、初めてだよ。好きな子が作ってくれる弁当…
 弁当はお袋のか買った物しか知らないから…」

『うそ…今まで、お弁当作ってくれるような女の子いっぱいいたでしょ』

「学生時代に弁当作ってくれる子もいたけど…相手のこと知らないし、何入っているか怖いから、断っていたし…

 明日から作ってくれる??」

『いいけど…明日って休日出勤なの?』

「あっ。明日は休みだぁー
 早く月曜日にならないかなぁー」

『拓海さんってクールな感じに見えて、中身は子供みたい…』

「うっさいよ。いいんだよ。亜紀の前だけだから。
 職場では、仕事に厳しい怖い人って思われてんだぞ。
 想像できないかもしれないけど…

 今度、会社においでよ。亜紀が来るなら大歓迎だよ。」


『本当に?やったぁー!!』

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