それは、理想の花言葉
童話に出てくる王子様そのもののような容姿。
気軽に話すことの出来ないようなその雰囲気が
余計に彼の人気を引き立てているらしい。
噂話に疎い私でも知っているのだから、
彼は1年にして、最早全校に知られていると思う。
『でも彩架、彼氏いるじゃん』
「へへ、別れた!」
決して笑って言うことではないと思う。
『何とかって有名大学の…将来有望な人だったんじゃなかったの?』
と言うと、黙り込んで何かを考え始める彩架。
「…確かに将来は有望だったわよ。
でもね、女関係は全っ然有望じゃなかったわ!!」