先生へ -君に詠む愛の歌-
*****佳央視点*****

「・・・私は・・・
 中学からの友達なんで
 それより前のことだと
 聞いたかもしれないけど
 ・・・あまりわかりません。」


そうだ・・・

私は柚那と知り合って

まだ4年ぐらいしか・・・。


「人と人の絆は
 時間じゃないよ?」


そう言って伊波先生は

優しく微笑んでくれた。


そして続けて伊波先生が

教えてくれた。

今日、柚那が

一番初めに先生に言ったこと。


『私は大事な友達のことさえ
 忘れてしまったんですね
 昨日の子にほんと
 悪いことをした』


そう言って涙を流していたと。


柚那。

私大丈夫だよ?

記憶が戻らなくても

私はまた柚那と親友になれると思う。


「伊波先生。
 私、柚那の記憶が戻らなくても
 また親友になれると思います。
 だから私、大丈夫です。」


そう言って微笑んだ。

伊波先生も無言で微笑んでくれた。
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