先生へ -君に詠む愛の歌-
*****壬生先生視点*****

体の方には異常は見つからず


無事退院してきた。


学校の方はもう少し休んでも


いいって言われた。


仕事貯まるんだけどな・・・。



明日は柚那にもう一度


想いを伝えようと思う。


ちょっと振られるかも


しれないって


不安もあるけれど・・・。



振られたら


そばにいてやれないのかな・・・。


それはダメだな・・・。


どうしよう・・・。



ふと視線の先に


クリスマスイブに買った


ピアスの紙袋が目に入る。


その中からピアスを取り出して



ずっと・・・・



ずっと・・・・



考えた・・・。




柚那にとって


どうすることが一番よいのかを・・・。




記憶を取り戻すまでに


彼女に何を残して


あげられるのかを・・・。






彼女を苦しめる記憶ならば


記憶なんて戻らなければ


いいとさえ願ってしまう・・・・




親や友達の大切な


記憶を犠牲にしても・・・


柚那を守れるなら・・・


俺はそれでもかまわないと・・・


そう思うんだ・・・





柚那・・・


*****壬生先生視点終了*****
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